なぜかおすすめされてミヒャエル・エンデのモモを読んでみました。時間泥棒に盗まれた時間を、モモが頑張って取り返そうとするお話です。1冊全部読み聞かせ今回これは、子供への読み聞かせをしました。全文です。400ページ以上の大作を、毎晩数ページずつ3ヶ月くらいかけて読みました、、、!大変だったけど、子供達の食いつきも良く、楽しい時間を過ごせました。少し前に「遅読のすすめ」という本を読みましたが、これぞまさに遅読だったかも、、、!時間の大切さ、ももの能力を子供と一緒にじっくり時間をかけて感じられました。話を聞く能力モモは孤児でボロボロの服を着た何も持たない女の子。しかし特殊能力が一つだけある。「人の話を聞くこと」です。彼女はただ黙って話を聞くだけで、何かアドバイスしたり、うまいこと相槌を売ったりするわけでもない。でもただ聞いているだけで、相手はクリエイティブな発想ができるようになったり、悩みが解消されたり、楽しい気持ちになったりするのです。子供だったら、モモがそこにいるだけで楽しく創造性豊かに遊べるようになる。おもちゃなんかなくても。大人も、モモがいるだけで仲良くなり良い仕事ができ新しいアイデアが湧いてくる。いやー、、、このスキルいいなー。。人の話をちゃんと聞く能力。おそらく、もともと答えはその人の中にある。ただ話を聞いてあげるだけで良い。であるならば、例えば上司は部下の話を、営業はクライアントの話を、ただちゃんと聞くことが大事なのではないか、と。人にアドバイスを与えようとしすぎたり語りすぎたり、売り込もうと、アピールしようとしすぎたりせず、まずはじっと相手の話を聞くことも大事ではないかと、思い直されます。時間泥棒この世界では、大人たちが時間泥棒に支配され、しまいには子供達も時間泥棒に支配され、せかせか忙しく余裕がなく、自分で遊びを考えることもできなくなっていく、、、そんなお話です。時間泥棒は、すべてが無駄だといいます。床屋さんがいます。おしゃべりが好きでお客さんとお話ししながら切るのが好きです。仕事には自信もあり、その上お話も好きなので楽しく仕事をしています。体の悪いお母さんの面倒を見てあげたり、夜はぼんやりその日のことを振り返ったりする時間も1日の中の幸せな時間です。また、週末に好きな相手に会いに行く時間も。しかし、時間泥棒はそれらすべてが無駄な時間です。と断言します。仕事中のおしゃべりも、母の介護も、ぼんやりする時間も、好きな相手に会いに行く時間も。効率が悪く、時間を無駄にしてしまっていると。これまでのあなたの人生はそういった無駄遣いで膨大な時間を捨ててきてしまっていると。なので、今からでも遅くないから、効率よく時間貯金をしなさい。そんなお話です。余裕のある仕事をこの「モモ」は1973年のドイツで書かれた本ですが、今の日本もまさにそんな感じですね。タイパ・コスパを重視し、無駄な仕事は避けるようになり、リモートワークで無駄な出社をやめその分稼働し、娯楽の動画さえ2倍速で見る。時間泥棒に時間を盗まれているということか。仕事の効率化は考えつつも、無理に仕事のバッファをなくすのはまた違うのかもしれないですね。メンバーやクライアントとの一見すると余剰とも思える会話。特に生産はしていないけれどもボンヤリと物思いに耽る時間。即効性があるともわからない新しい取り組み。なにかを生み出していないように見える子供や家族との時間。もっと余裕を持って生きていきたいですね!