今回は8月ということもあり、戦争に関する本を読んでみようと思い、この『日本終戦史』を手に取りました。米・中・英・ソとの第二次世界大戦がどのように終わったのかが書かれている本です。正直、恥ずかしながら私は戦争の歴史をあまりよくわかっていなく、「勉強しなければならない」という思いもあり、改めてこういった本を読んでみました。歴史というものは調べる人や立場によって見方が違うので、何が正しいのかは一概に言えないかもしれないと思います。ですが、この本を読んでとても学びが大きかったです。自分はシステム開発や会社経営をしている立場なので、そういった視点から重ねて考えてみたいと思いました。複雑すぎる意思決定まず思ったのは、「こうすればよかった」なんて簡単なものは存在しないということです。戦争はあまりにも複合的で複雑。漠然と複雑だとは思っていましたが、想像以上に複雑でした。自分が当時の日本の首相だったら、自分が海軍のトップだったら、自分がアメリカの大統領だったら…と想像しながら読んでみました。しかし、「どうしたらいいんだこれ...」という気持ちにしかならない。。「戦争は悪いからやめればいいじゃん」とか、「ここで降伏すればよかったじゃん」みたいな簡単な話では全然ない。それぞれの立場の人たちは皆、日本を守ろうとしていて、間違ったことをしているつもりはないんですよね。ただ、進むべき方向性が違うだけ。しかもそれぞれベストだとは思っていない。でも他にどうしようもなくてそれ選べないと思っているような。。そしてそれがすり合わない。そして相手の立場・気持ちも組まなければならない。そんなこと言ってられない状況かもしれないですが、それだけで国が割れて崩壊してしまうかもしれない。難しい。。100人足らずの組織の意思を統一するのも難しいのに、数人レベルの小さな会社をまとめるだけでも難しいのに、1億人の国を背負ったマネジメントをし、意思決定するなんてどれだけ難しいことか。そこに圧倒されました。立場の違いとマネジメントの難しさ陸軍、海軍、首相、天皇、それぞれに立場があります。しかも、戦争ですから、自分の部下や仲間が戦場で命を落としている。天皇は国全体の命を背負っている。首相もまた同じ思い。誰一人として「間違ったことをしている」と思っていないんですよね。それをまとめるだけでも大変なのに、相手は日本国内だけでなく米・中・英・ソの四大国。彼らの思惑を相手に交渉していかなければならない。ただ負けましたというだけでは無条件降伏を強いられる。日本を守れる条件での交渉できる状況に最低限持っていかなければならない。和平交渉ができる状況を作るために戦争を続けなければならない。この難しさは、想像してもしきれないものでした。規模を小さくしてよりシンプルにしたものは、企業でも同じことがたくさんあると思います。営業部と技術部と経営者が意見がすり合わない、とか、そんな局面に似ています。例えば突然この部署が要らないと言われても、それが会社にとって効率的だと言われたとしても、そこまで本気で残業して仕事をやってきた人たちにとって受け入れられないことだったりします。そうすると、反抗的になったり、一斉に退職したりします。それが企業ではなく国になるならば、残業とかではなく命をかけているわけで、実際に命を失っているわけで、当然、簡単に受け入れられるわけがない。最悪の中での選択読んでいて思ったのは、AもBもCも「最悪」で、その中で「どれがまだマシか」を常に選んでいくような状況だったんだろうということです。例えば、企業で行けば、何もしなければ倒産しそうな状況で、A案:このまま何もしないで倒産する。B案:会社はなんとかなるが、30%をリストラする必要あり。C案:会社はなんとかなるが、全員減給・ボーナスカット。こんな3択から苦渋の選択で選ぶこともあると思います。これが国の規模になる、負けを認め「無条件降伏」を受け入れるのか、「一撃和平」で一撃を入れられた有利なタイミングで交渉できるところまで戦争するのか、とことんやるのか、みたいな地獄の選択になるのか、、、、と。内部統制やバランスの取り方、マネジメント、交渉の難しさを痛感しました。これは戦争だから、というだけでなく、組織の運営にも通じる部分だと思いました。天佑(てんゆう)この本で、天佑という言葉が使われていて、恥ずかしながらどういう意味かと思って調べたら「天の助け」という意味らしい。急な戦争終結は陸軍の離反のリスクがあり、とはいえ戦争継続は国民の国体への離反を招く、、、と。そんなジレンマの中、原爆とソ連参入という外圧は「天佑」だ。と。当時の米内光政が「敵の攻撃が恐ろしいのでもないし、原子爆弾やソ連参戦でもない。一に国内情勢の憂慮すべき事態が主である。したがって、教祖の国内情勢を表面に出さなくて収集できるというのはむしろ幸いである。」と言っていたと書かれている。原子爆弾が天佑だとはとてもじゃないけど言いたくはないし言うべきではないと思う。ただ、そう思わざるを得ないほど、戦争を終わらせたい人たちにとって終戦に持っていくことが非常に難しく、内乱によって国が割れて滅びることを恐れていたのだろう。読み終えて僕は歴史について知らないことが多いので、歴史の流れについての学びも多かったですが、「戦争を始めてしまったら、終わらせるのは本当に難しい」という学びは大きかったです。始めない方法はあったのかもしれないけれど、なかったのかもしれない。そのあたりの答えは簡単には出せません。とにかく学びが多い本で、一人の日本人として、そして経営者としても、考えさせられる一冊でした。