今回は、おにぎり屋さん向け需要予測アプリ「おにぎり予測」を開発しました。
クライアント課題
「今日はごはんを何合炊けばいいんだろう?」
おにぎり屋さんのスタッフたちが毎朝この課題に直面していました。お米の値段が上がっている昨今、作りすぎは勿体無いし、とはいえ足りないとお客さんの機会損失になってしまう。
この課題に、データで答えるWebアプリを開発しました。
天気・曜日・過去の販売実績をもとに、その日に炊くべきご飯の量と予測販売個数を自動算出。売り切れによる機会損失と、炊きすぎによる廃棄ロスの両方を減らすことを目指したアプリです。

とはいえ、天気・曜日・過去の販売実績でどこまで予測できるかは未知数ですので、まずはベータ版としてお試しで使ってみる段階です。
主な機能
1. ダッシュボード ― 今日と明日の予測を一目で
アプリを開くと、まず目に入るのが今日の予測です。
予測販売個数(例:238個)
推奨炊飯量(例:18.3合)
予測の根拠(例:「土曜日の過去4週平均: 243個 / 天気(雨): ▼15%」)
信頼度スコア
当日の天気情報(Open-Meteo APIから自動取得)
明日の予測も並列で表示され、翌日の天気予報とあわせて仕込み計画の参考にできます。

2. 日次実績入力 ― 1分で完了するシンプル入力
営業終了後に、その日の実績を入力します。
入力項目は最小限に抑え、販売個数・炊飯量・廃棄数・メモの4つが基本。売り切れの有無もワンタップで記録できます。毎日の入力が苦にならないよう、操作性を重視しました。

3. 実績一覧 ― 月単位で傾向を把握
月ごとの販売実績を一覧表示。合計販売数・日平均・合計廃棄・売切れ日数のサマリーで、月の全体像を把握できます。
祝日は赤字表示、売り切れ日にはバッジを表示するなど、視認性にも配慮しています。

4. 予測履歴 ― 予測と実績の答え合わせ
予測精度の振り返りを行う画面です。過去の予測値と実績値を並べて誤差を確認でき、予測の根拠テキストも合わせて表示されます。
この画面を使って「なぜ予測が外れたか」を分析し、メモの入力精度向上やモデル改善につなげていきます。

5. 天気自動取得
店舗の緯度・経度を設定するだけで、Open-Meteo APIから天気データを自動取得します。
過去の天気データ: 過去30日分をまとめて取得し、販売実績と紐づけ
当日の天気: ダッシュボード表示時に自動取得
明日以降の天気予報: 予測生成時に3日先まで取得
6. 祝日・曜日自動判定
日付から曜日・平日/土日・祝日・祝前日・連休中を自動判定。営業日の設定も可能で、定休日を考慮した予測が可能です。

7. CSV一括取込
過去の販売データをCSVでまとめてアップロードできます。開業初日から使い始められなくても、過去データを後から投入して予測精度を高められます。

予測ロジック
予測は段階的なアプローチを採用しています。
ルールベース予測(現在稼働中)
1. 同じ曜日の過去4週の平均販売数を基準値として算出
2. 天気補正(雨なら-15%、曇りなら-5% など)
3. 気温補正(快適な15〜22℃を基準に、極端な気温でマイナス補正)
4. 祝日・連休補正(祝日は+10%、連休は+15% など)
5. 売り切れ日は「もっと売れた可能性がある」として+20%補正で学習データに反映
6. 予測個数から推奨炊飯量(何合)を自動計算
予測結果には根拠テキストが付与されるため、店主は「なぜその数字になったか」を確認した上で、必要に応じて手動で補正できます。
今後の拡張(フェーズ2以降)
機械学習モデルによる特徴量ベースの予測
メモの自然言語解析によるイベントタグ自動抽出
生成AIによる予測理由の自然文コメント生成
おにぎり需要予測アプリ:まとめ
「おにぎり予測」は、小規模飲食店の日常業務における「判断の負荷」をデータで軽減するアプリです。
ベータ版としては、高度なAIモデルに頼るのではなく、まずは「毎日の記録を習慣化し、蓄積されたデータから傾向を読み取る」というシンプルなアプローチを採用しました。データが蓄積されるほど予測精度が向上していく設計のため、使い続けるほど価値が高まることを期待しています。
飲食店の仕込み量最適化、在庫管理、需要予測などのアプリ開発にご興味がありましたら、お気軽にお問い合わせください。
