最近、AI業界で「FDE(Forward Deployed Engineer:フォワード デプロイド エンジニア)」という言葉がかなり注目されています。
OpenAIやAnthropic、Googleなどが積極的に採用している新しい職種で、年収3000万〜5000万円クラスの求人も増えているそうです。
ただ、このFDE:フォワード デプロイド エンジニアという言葉、普通に聞いてもかなり分かりにくいですよね。
今回は、
FDEとは何なのか
普通のエンジニアやコンサルと何が違うのか
なぜAI時代に重要になっているのか
中小企業にとってどう関係あるのか
を、できるだけ実務目線で整理してみます。
FDE(フォワード デプロイド エンジニア)とは?
ざっくり言うと、
「AIやソフトウェアを、実際の現場に入り込んで導入・改善していくエンジニア」
です。
単純にシステムを作るだけではなく、
現場の業務を見る
非効率を見つける
AIをどう使うか考える
実際に導入する
現場の反応を見て改善する
ところまで担当します。
つまり、
「AIを作る人」
ではなく、
「AIを現場で使えるようにする人」
に近いイメージです。
なぜ今、FDEが注目されているのか?
理由はかなりシンプルです。
企業がAIを導入しようとしても、実際にはかなり難しいからです。
例えば、
社内データが整理されていない
Excel運用が複雑
LINEで情報共有している
業務が属人化している
古いシステムが残っている
セキュリティの制約がある
現場が新しいツールを嫌がる
など、現実にはいろんな問題があります。
つまり、ChatGPTを契約しただけでは、会社はほとんど変わりません。
実際には、
「どの業務をAI化するのか」
「どこまでAIに任せるのか」
「人間はどこを確認するのか」
を整理する必要があります。
そこで重要になるのがFDEです。
普通の受託開発やコンサルとの違い
ここがかなり重要です。
従来のシステム開発会社は、
要件を聞く
見積もる
開発する
納品する
という流れが多いです。
一方、FDE的な動きは、
現場を観察する
ボトルネックを探す
小さく試作する
実際に使ってもらう
フィードバックを受ける
AIやシステムを改善する
という流れになります。
つまり、
「完成品を納品する」
というより、
「現場に入り込みながら一緒に改善する」
に近いです。
実際にはどんなことをするのか?
例えば問い合わせ管理。
中小企業では、
メール
LINE
Excel
スプレッドシート
などでバラバラに管理されているケースがかなり多いです。
ここに対してFDE的な動きをすると、まず現場を見るところから始まります。
どこで問い合わせを受けているか
誰が返信しているか
何が属人化しているか
どこで転記が発生しているか
何に時間がかかっているか
を整理します。
その上で、
AIによる問い合わせ分類
AIによる要約
返信文案の自動生成
Slack通知
顧客管理との連携
などを、小さく試作していきます。
ここで重要なのは、
「いきなり全部を作らない」
ことです。
まず小さく試して、現場で使って、改善していく。
このサイクルがかなり重要です。
なぜOpenAIもFDEに力を入れているのか
最近、OpenAIはAI導入支援会社「Tomoro」を買収しました。
これはかなり象徴的だと思っています。
つまりOpenAIですら、
「AIモデルを提供するだけでは足りない」
と考えているわけです。
実際には、
現場理解
業務改善
データ整理
運用設計
UI設計
社内定着
までやらないと、AIは本当に活用されません。
だからこそ、FDEのような“現場に入り込める人材”が重要になっています。
中小企業こそFDE的な支援が重要
特に中小企業では、
IT担当がいない
DX担当がいない
AIに詳しい人がいない
ケースも多いです。
そのため、
「AIを導入したいけど、何から始めればいいか分からない」
状態になりやすい。
だからこそ、
現場を見ながら
小さく試しながら
実運用まで支援する
FDE的な支援は、今後かなり重要になると思っています。
AI時代は「作れる」だけでは足りない
最近はAIの進化によって、システム開発そのものはかなり高速化しています。
以前より少人数・短期間で、かなりのものが作れるようになりました。
その一方で、価値が上がっているのは、
何を作るべきか
どう業務に組み込むか
現場でどう使うか
を整理する部分です。
つまり、
「コードを書く」
だけではなく、
「AIを現場に定着させる」
ことが重要になってきています。
私たちとしても、単なる受託開発だけではなく、
AI導入支援
業務改善
小規模PoC
AIを活用した業務整理
のような領域を、今後さらに強化していきたいと考えています。
