合同会社CitrusApp(シトラス・アップ)は、産業用ローラーの製造を手がけるメーカー様向けに、見積書・製造指示書・納品書・請求書を一気通貫で管理できる受注生産管理システムを開発しました。

クライアント様について

本クライアント様は、産業用の搬送機器を製造・販売するメーカーです。

抱えていた課題 / 依頼の背景

本クライアントは長年、見積書・製造指示書・納品書・請求書の作成・管理を、Excelとマクロを組み合わせた自作の仕組みで運用してきました。しかし、

  • マクロが年々複雑化し、ちょっとした修正でも一部の詳しい担当者しか触れない「属人化」した状態になっていた
  • ファイルの破損や版のズレによって、突然マクロが動かなくなる・数字が合わなくなるといったトラブルが発生していた
  • 見積〜製造指示〜納品〜請求は本来1本の流れのはずなのに、Excelファイルがバラバラに管理されていて、同じ情報を何度も転記する必要があった

といった課題を抱えていました。「壊れたら誰も直せないExcelマクロ」への依存から脱却し、ブラウザからいつでも安全に使える業務システムに置き換えたい、というのが今回のご依頼の出発点です。

今回開発したシステムの機能

受注業務フロー(見積 → 製造指示 → 納品 → 請求)

  • 見積書の作成・印刷(品名・仕様・数量・単価などの明細入力、単位はタブ選択、明細はドラッグ&ドロップで並べ替え)
  • 見積の受注確定 → 製造指示書へシームレスに引き継ぎ(同じ製造番号で追跡)
  • 納品書の作成・印刷、出荷日・納入方法の管理
  • 請求書の個別発行/全社一括発行(取引先ごとに未請求の納品をまとめて1枚に集約。締日・対象期間の指定にも対応)
  • 出精値引き、入金の複数回・一部入金記録、入金状況(未入金/一部入金/入金済/期日超過)の自動判定
  • インボイス制度に対応した請求書表記

帳票(PDF出力・印刷)

  • 窓開き封筒でそのまま郵送できるよう、宛先住所を用紙上部に配置するレイアウト
  • 出荷・請求先住所は取引先マスタの登録情報から自動反映(納入先とは独立して管理)
  • 製造指示書のみ、工場内の視認性を考慮した大きめ・太字の表示(後述)

一覧・検索・管理機能

  • 見積書/製造指示書/納品書/請求書の各一覧で、条件検索・列見出しクリックによる並び替え・ページングに対応
  • CSV出力(検索条件を引き継いで絞り込み結果のみ出力可能)
  • 取引先・納入先・製作担当者・営業担当者などのマスタ管理
  • ユーザー招待・役割管理(管理者/一般ユーザー)
  • 変更履歴(誰が・いつ・何を変更したかを記録する監査ログ)
  • 社内チャット(製造番号を書き込むと自動で該当案件にメモとして追記される機能つき)

開発から運用までの流れ

  1. 業務フローのヒアリングと現行Excelの分析 実際に使われていたExcelマクロや帳票フォーマットを1つずつ確認し、「見積→製造指示→納品→請求」という現場の業務フローをそのままシステムの画面遷移に落とし込みました。単なるExcelの置き換えではなく、転記の手間や二重管理をなくすことを重視しています。

  2. Next.js + Supabaseによる本実装 フロントエンド・バックエンドともにNext.jsで構築し、データベース・認証にはSupabase(PostgreSQL)を採用。Vercel上でホスティングし、社内のPC・スマホからブラウザだけでアクセスできる構成にしました。

  3. リリースと、運用しながらの継続的な改善 一度作って終わりではなく、リリース後も現場からの気づき・要望をメールや写真・スクリーンショット付きで随時共有いただき、こちらで確認・修正して本番環境へ反映する、というサイクルを高い頻度で回しています。

今回の開発のポイント

ポイント1:生成AIを活用した「即日改善」の開発体制

このプロジェクトで特徴的なのは、リリース後の改善スピードです。「製造指示書の文字が工場内の照明では見づらい(老眼・薄暗さ対応)」「窓開き封筒に入れたときに宛先住所が窓からきちんと見えるようにしてほしい」「明細に連番を振ってほしい」といった、実際に使ってみて初めて分かる細かな要望を、メールやスクリーンショット・PDFで都度お寄せいただき、その日のうちに調査・修正・本番反映まで完了させるスタイルで運用しています。

これを支えているのが、生成AI(Claude)を活用した開発体制です。要望を受けてから、該当箇所のコード調査・修正・動作確認・本番デプロイまでを高速に回せるため、通常の受託開発であれば数週間かかってもおかしくない細かな改善要望にも、即日〜数日で対応できています。見た目に関わる変更(文字サイズの拡大など)については、いきなり実装するのではなく、Before/Afterのイメージを先にお見せしてご確認いただいてから反映する、というプロセスも取り入れています。

ポイント2:「壊れない」業務システムへの安全な移行

長年Excelマクロに依存してきた運用から移行する以上、最も避けなければならないのは「新しいシステムでもまた同じようにデータが壊れる/消える」という事態です。今回の開発では、受注データが一覧から見えなくなる不具合や、日時表示のタイムゾーンのズレなど、実運用の中で見つかった細かな不具合についても、原因をコードレベルで特定し、再発防止の仕組み(サーバー側での必須項目チェックなど)まで含めて対応しています。

製造指示書一覧(検索・並び替え・ステータス管理)

受注1件につき1枚の製造番号を発行し、見積〜製造〜納品〜請求までを同じ番号で追跡できます。列見出しをクリックすると日付順に並び替えができ、キャンセル済みの案件は取り消し線で表示されます。

製造指示書一覧の画面

請求書(帳票プレビュー・PDF出力)

窓開き封筒でそのまま郵送できるよう、宛先住所を用紙の一番上に配置したレイアウトです。取引先マスタに登録された住所が自動で反映され、出精値引きがある場合はその内訳も表示されます。

請求書の帳票プレビュー画面

見積書の明細エディタ(単位タブ・連番・ドラッグ並べ替え)

品名・仕様・数量・単価などの明細を入力する画面です。単位は「本/個/枚/セット/式/台」からタブで選択でき、行の左端をドラッグして並べ替えることができます。

見積書の明細入力画面

開発責任者からのコメント

今回のプロジェクトは、単純な「Excelのシステム化」ではなく、実際に日々使う現場の方が「使いやすい」と感じられるところまで詰めることを大事にしました。リリースして終わりではなく、実際に使い始めてから見えてくる細かな不便(文字の大きさ、封筒での見え方、入力時のちょっとした手間など)を一つずつ潰していくフェーズこそが、業務システムの価値を左右すると考えています。

生成AIを活用した開発により、こうした細かな改善要望に対して「気づいたその日のうちに直る」というスピード感を実現できているのは、これまでの受託開発ではなかなか難しかった部分です。今後も継続的に伴走しながら、システムを育てていきたいと思っています。

業務システムの開発・改善、Citrus Appにご相談ください

合同会社Citrus App(シトラス・アップ)は、AI駆動開発で、業務システム・SaaSのアイデアを最短でカタチにする開発会社です。

「Excelやマクロでの運用に限界を感じている」「業務システムを作りたいが、リリース後の細かい改善まできちんと伴走してほしい」といったお悩みがあれば、ぜひお気軽にご相談ください