今回は『仏教コード』という本について読んだ感想を書いていきたいと思います。きっかけは電車広告でこの本の名前を見かけて、誰が書いた本かもわからないけど、仏教のことを全然知らないな、と自分で思ってポチっとクリックしてみました。少しでも仏教について触りだけでも学べたらいいなと思い、手に取った次第です。大きく2点、興味深い点がありました。対機説法という考え方まず一つ面白いと思ったのは「対機説法」というお釈迦様の説法の仕方についてです。対機説法とは、相手の能力や理解力、状況に合わせて話をするという手法だそうです。例えば日常の例でいえば、虫歯で苦しんでいる子どもがチョコレートを欲しいとせがんできたとき、実際にはチョコレートをたくさん持っていたとしても「チョコレートは持っていないよ」と伝える。これは真実ではないけれども、子どもの理解力や我慢できる力に合わせて、わかりやすく「諦めてね」と伝える方便。このように相手に合わせて話をすることを大気説法と言うと説明されていました。つまり、お経そのものがそういう構造になっているそうです。お釈迦様は必ずしも「真実」をそのまま語っているのではなく、相手に合わせてわかりやすく伝えている。後述しますが、それがすごく興味深いと思いました。神の力と信仰の数もう一つ面白いと思ったのは「神の力は信仰する人が少なくなると弱くなり、助けられなくなる」という考え方です。例えば「こんなに国が荒れていて大変なのに、誰も助けてくれないじゃないか。神様なんていないじゃないか」と言う人がいるとします。これに対して、信じる人が少なくなったから神の力も弱くなるのだ、というような説明がなされていました。これはとても面白いと思いました。仏教に限らずキリスト教やイスラム教など、どの宗教でも共通して言えることなのではないかと感じます。結局どの宗教でも「人に優しくしなさい」とか「盗んではいけない」とか、悪いことを書いているものはないですよね。神様が本当にいるかどうかはある意味どうでもよくて、その教え自体は道徳的に善いものがほとんどですよね。もし国全体の人がそれを信じきって、そのルールを守って生きていたら、その国は平和になる。どの宗教もそういうことを言っているのではないかなと思いました。信仰と社会のルール上記2点をみて、対機説法というのは「論理的に説明しても人間はそんなに能力が高くないから分かってもらえない。だから分かりやすく「神様が言っているから」「神様がいるから」という形にして伝える、という仕組みなのかな、と思いました。これは宗教に限らず、憲法や法律、あるいはとあるコミュニティの暗黙のルールでも同じことが言えそうです。コミュニティ全体がそのルールを信じ、みんなが同じ方向に進んでいれば平和が保たれる。その仕組みと似ているように感じました。ただ同時に、この考えは「ダイバーシティを受け入れたチームの方が強い」という現代的な考え方と少し矛盾するのではないか、とも思いました。多様性を尊重することが強さにつながる一方で、一つの宗教(というか考え方・思想)にまとまることが平和を生むとも言える。そのバランスは難しいし、むしろ宗教戦争のように衝突を生むこともあるのでは、、、と。色々考えさせられる良いきっかけになりました。