こんにちは、Wataruです。今回は『言語沼(ゆる言語学ラジオ)』を読んだ感想を書いていきます。
Youtubeチャンネルのゆる言語学ラジオのパーソナリティの水野さんと堀本さんが書いた本です。めちゃくちゃ面白いですね。いつものYoutubeのように「言語」の不思議さや興味深さを面白おかしく語ってくれています。
読んでいて何度も「へぇ〜!」とか「え、そうなの!?」という驚きがありました。言葉って、ふだん無意識に使っているのに、実は深〜いルールや感覚がある。それを「ゆるく」語ってくれるのがこの本の魅力です。
では、印象に残ったトピックをいくつか紹介していきます。
ライマンの法則:なぜ「毒ガエル」であり「毒ドカゲ」はないのか?
まず紹介されるのは「連濁(れんだく)」という日本語の現象。
たとえば、毒をもったカエルはドクガエルです。
では毒を持ったトカゲは、、、ドクトカゲ。。。なんで?
という話です。
なんでドクトカゲであってドクドカゲじゃないのか?
なんでドクガエルであってドクカエルじゃないのか?
実はこれ、「ライマンの法則」というそうで、すでに語中に濁音があると連濁しない、というもの。つまり「トカゲ」は「ゲ」ですでに濁ってるので、さらに濁らせて「ドカゲ」にはならないと。
これを発見したのが日本人ではなく、アメリカ人のB.S.ライマンさんというのも面白いですよね。外国人の方が日本語の“当たり前”に疑問を持てるって、言語の面白さだと思います。
(とはいえ、それよりも早く本居宣長が発見したという説もあるらしく、ライマンさんのは再発見の模様。とすると、名前つけるって大事ですね。)
ヘリコプターは“いる”?:アニマシー(動物っぽさ)の不思議
このトピックの最初の一言は、
「堀本さん、ヘリコプターって生きてますか?」
から始まります。興味深いです。
今回は「ある」と「いる」の違い。
例えば、
There is a book on the table.
There is a cat on the table.
和訳すると、「本がある」と「ねこがいる」。
どちらもisですが、日本語だと、ある、いると使い分けます。
なんでか、って言われると、「モノ→ある」「生き物→いる」思いますよね。
でも例えば、「ヘリコプターがいる」と言われるとおかしいじゃないですか。
でも。「やば、もう時間ギリギリだ!ヘリポートにまだヘリコプターいる!?」
と言われると、なぜか違和感がない。
これは“アニマシー(動物っぽさ)”という感覚が関係していて、「動き出しそう」「意志を持っていそう」だと“いる”を使ってしまうらしい。
こういう言語感覚、僕たちは全然意識してないのに、自然にできているのが不思議です。
「俺、スイカのこと好きなんだよね。」の違和感
「俺、スイカのこと好きなんだよね」って聞くと、なんか違和感ありませんか?
「俺、スイカ好きなんだよね」なら普通なのに、「のこと」がつくだけでまるで人に対する感情みたいになる。
つまり、「のこと」はモノだと違和感があり、人だと違和感ないんですね。
でも逆に次はどうでしょう。
タレントの話をしていて、「俺、タモリさんのこと好きなんだよね」だとどうですか?
タモリさんは人なのにこれも違和感ありますよね?
これもアニマシーの考え方で、言葉に含まれる「距離感」や「リアルさ」の違いが関係しているんですね。
タケテ・マルマ実験:音の響きと形の不思議な一致
例えば、星型に近いようなギザギザの図形と、まるっこい円が二つ組み合わさったような図形を見せて、これらがそれぞれ「タケテ」と「マルマ」と呼ばれるモノです。どっちがどっちですか?と世界中の人にアンケートとったそうです。
すると。ほとんどの人が同じように「タケテ=ギザギザ」「マルマ=丸」と答える。
つまり、音と形のイメージって、世界共通で持ってるらしいんです。これはめちゃくちゃ面白いですよね。
疎外音と共鳴音:名前にも響きの法則がある?
濁点をつけられる音(K、S、Tなど)は「疎外音」、つけられない音(M、N、L、R、Yなど)は「共鳴音」と呼ばれるらしいです。
共鳴音は柔らかいイメージを伝えられるそうです。
なので女性の名前に多い。
たとえば、日本だとるり、まり、ゆりとか。欧米だとローラ、メアリーとか。いずれもMやN、R、Yなどを使ってますよね。めちゃくちゃ興味深いです。この辺が国籍関係なく世界で同じような音が使われているのはものすごく面白い。
逆に疎外音は尖っていて、男性名に多い。
さらにガギグゲゴだと怪獣っぽい印象に。たとえば「ゴジラ」「キングギドラ」とか。
この感覚、日本語だけじゃなくて世界中にあるっていうから面白い。
「えーっと」と「あのー」:ただの言い淀みじゃない
えーっと、とあのー、の違いはなんですか?と言われて答えられますか?
我々は母語話者なのに即答できない。でも完璧に使い分けられる。それが面白いです。
例えば、「7 x 8は!?」と急に言われて「えーっと... 56!」とは言えるけど、
「あのー...56!」だと変ですよね?
「あのー、すみません、駅はどっちですか?」だといいけど、
「えーっと、すみません、駅はどっちですか?」だと若干失礼な感じしないですか?笑
これは「えーっと」が自分の中から思い出そうとするとき、「あのー」が相手に働きかけるときに使われるという違いなんだそうです。
そう言われてみると、納得感ありますよね。こういう細かなフィラーの使い分けにも、ちゃんと理由があるんだなあと感心しました。
「に」と「を」の違い:壁にペンキを塗った?壁をペンキで塗った?
たとえば「壁にペンキを塗った」と「壁をペンキで塗った」って、同じようで違う印象を受けませんか?
よくイメージしてみてください。確かに違いますよね。
「壁にペンキを塗った」は「一部にペンキを塗った」感じ、
「壁をペンキで塗った」は「全体をしっかり塗った」ような印象になりません?
不思議ですよね。
これ、助詞「に」と「を」の違いが、どれだけ強く働きかけているかを示しているとのこと。
たとえば「川を泳ぐ」と「川で泳ぐ」でも、印象は大違い。
メロスが濁流を超えた場面は「川を泳ぐ」は命がけな感じで合ってますが、それを「川で泳ぐ」と表現しちゃうと子供がのんびり水遊びって感じに聞こえませんか?
言葉って、ほんとすごい。
そして我々はそれを理由をしらずに普通に使いこなしている。。
ゆる言語学ラジオ、本当に学びが多いです。
ゆる言語学ラジオは本当学びが多いですね。
水野さんの言語の知識と、堀本さんのテンポよいツッコミと掘り下げ。非常にありがたいです。これからも彼らのYouTubeチャンネルを応援していきたいですね。
