こんにちは、Wataruです。今回は、ここ数年で最も強い衝撃と刺激を受けた一冊、『ビジュアル・シンカー ― 絵で考える人々の世界』についてご紹介します。この本を読んで、まるで自分の世界が一気に広がったような感覚を得ました。人は「言語思考者」と「視覚思考者」に分かれるこの本では、人は大きく二つのタイプに分かれるとしています。言語思考者:言葉で物事を考える人視覚思考者:イメージで物事を考える人さらに、視覚思考者は以下の2タイプに分かれるそうです。物体視覚思考者:物事を写真のように、具体的な形や物体としてイメージできる人空間視覚思考者:物事を空間的・立体的に捉えられる人たとえば、物体視覚思考者はデザイナーや整備士、設計者に多く、空間視覚思考者は建築家や数学者、音楽家、あるいはプログラマーに多い傾向があるとのことです。私は典型的な「言語思考者」だったこの本を読んで、私はまさに「ゴリゴリの言語思考者」だと自覚しました。例えば小説で「丘を越えたら一面の花畑が広がっていました」という一文を読んでも、私の頭の中には鮮やかな花畑の映像は浮かびません。ただ「花畑が広がっていた」という“言葉そのもの”を理解しているだけです。もちろん、「花畑」という概念は理解していますが、黄色い花が咲き誇っているのか、白い花なのか、そういったイメージはまったく湧きません。それに対して視覚思考者は、この文章を読んだ瞬間に鮮明な映像が頭に浮かび、その情景を“映像体験”として楽しむことができるのです。また、空間視覚思考者の特徴として「地図を読むのが得意」という話がありましたが、私は地図を見るのが大の苦手。すぐ迷子になりますし、空間認識力が決定的に欠如していることを改めて痛感しました。視覚思考者は言語化が苦手な場合も本書では、視覚思考者は逆に言語化が得意でない人が多いとも語られていました。著者自身も極度な物体視覚思考者で、幼い頃は言葉を話せるようになるまでにかなり苦労したそうです。この話を読んで非常に腑に落ちたことがあります。例えば、友人が映画を観て「めちゃくちゃ良かった!」とだけ言って終わってしまう場面。私は「どのシーンが良かったの?」「他にも似た映画があると思うけど、それらと比較しどの部分が良かったの?」と、もっと詳細に知りたくなります。でも、その友人にとっては「そのシーンが頭に鮮明に残っていて、それで十分伝わっている」という感覚なのでしょう。質問すればするほど、嫌がられウザがられる、あるいは怖がられてしまうことまであります笑(質問責めに合ってるように感じてしまうようです汗)視覚思考者にとっては、言語化した時点で情報が“欠落してしまう”という感覚があるのかもしれません。一方で、私のような言語思考者は「言語化して初めて理解できた」とすら思いこんでしまう。このギャップが、視覚思考なのか言語思考なのかの違いにあるのではとこの本で気づき、強い衝撃を受けました。多様な思考タイプを活かすチームづくりこの本の中でも触れられていますが、多様性のあるチームはパフォーマンスが高いと言われています。言語思考者だけのチームより、視覚思考者だけのチームよりも、混在しているチームの方がパフォーマンスが高いという研究結果があるそうです。私は仕事の時に、まずテキストエディタで箇条書きで情報を整理しようとするタイプです。ですが、人によってはまず図のようなものを書いたりして整理します。僕にとっては図を書くことはコストなのでまず工数をかけずに箇条書きで整理した方が良いと思うのですが、その人にとっては図で書いた方が理解しやすいためでなんですね。例えばマインドマップでさえ僕的には「図」なので、ただの箇条書きの方がわかりやすいのに、、、と思ってしまいます。また、カラフルな色を使った図は「無駄が多い」と感じてしまうことも正直あります。ですが、それが“無駄”ではなく、“必要な表現方法”であるということを、この本を通じてようやく理解できるようになりました。視覚思考者にとっては色や図形が情報そのものであり、むしろテキストだけでは伝わらない重要な要素を担っている...そのことを言語化してくれたのは本当にありがたいです。この本を読めて世界が広がりました。視覚思考 or 言語思考も多様性の一つの切り口に過ぎない今回、視覚思考者か言語思考者かの話を読みましたが、これも切り口の一つに過ぎないと思います。ステレオタイプで人を決めつけるのは良くないと思いますが、逆に無数のステレオタイプを知る必要もあるのかな、とも思います。視覚思考・言語思考、国籍、性別、宗教、育った街、家族構成、食べ物、都会か地方か、兄弟の何番目か、体育会系か否か、、、無数の切り口があり、それらの組み合わせで人は構成されているならば、少しでも多くの、できればより細かいパターンを知ることができれば良いのかな、、、とも思います。完璧にやるのは当然不可能ですが、歩み寄り理解しようとする努力はしたいな、と思ったりします。多様性チームのマネジメントの課題はマネージャーこの本を読んで私が学んだことは、「言語化は大事だが、必ずしもすべてではない」ということです。視覚思考者の力をチームに取り入れることは、これからの時代において非常に重要だと感じています。そして、自分とは違う思考タイプの人たちとどうコミュニケーションを取るか、そのスキルを高めていくことが、私自身の大きな課題でもあります。とはいえ、多様性のあるチームをまとめ上げるためには、高度なマネジメントスキルが必要です。優秀なマネージャーがいなければチームはまとまらず、マネージャーに過大な負荷がかかれば離職やプロジェクトの崩壊につながります。理想は、誰でもマネジメントできるような「仕組み」を作ること。これは簡単なことではありませんが、私としては、今後この仕組みづくりにも積極的に挑戦していきたいと考えています。