こんにちは、代表のWataruです。今回は柳瀬博一さんの著書『アンパンマンと日本人』を読んで、深く心に残ったことをブログにまとめたいと思います。 何気なくおすすめされて読んだのですが、読み進めるうちに「これはすごい本だ」と感じました。やけに最近アンパンマン関連書籍を目にすると思ったら、やなせたかしさんをモデルにした朝ドラも始まる(もうやってる?)んですね。テレビ見ないので知らなかったです。アンパンマンややなせたかしさんにこれまで特に関心がなかった私も、本書を通してその裏にある思想や歴史に触れ、圧倒されました。アンパンマンの社会的存在感本書の冒頭で改めて語られていたのは、アンパンマンがどれほど国民的なキャラクターであるかという話。年間1500億円規模のキャラクタービジネス2002〜2018年の幼児向け人気ランキングでほぼ1位医療・保育の現場で「アンパンマンがいないと仕事にならない」とまで言われる存在乳幼児にとっての圧倒的なヒーローであり、初めて名前を覚えるキャラクターであり、そして多くの現場を支える“存在”でもあることに、驚かされました。でも、テレビ放映されて36年しかまだ経ってないんですね。つまり私がベイビーの時はアンパンマンってなかったのか!もっと日本古来のものだと思っちゃうくらい日本に根付いてますね。正義は変わる。でも、空腹は変わらないやなせさんがアンパンマンを作るきっかけになったのは、戦争経験でした。日本が敗戦し、それまで正義とされていた軍国主義は黒塗りされて否定され、教科書がまるごと書き換えられた。正義は簡単にひっくり返る。それを身をもって体験した彼は、ヒーロー像にも強い懐疑を持っていました。正義は逆転するが、空腹は真実である。戦場で最も辛かったのは、撃たれることでも殴られることでもなく「食べられないこと」だったそうです。 その経験から、「お腹が空いている人にパンをあげること」こそが絶対に変わらない正義だと信じ、アンパンマンというキャラクターが生まれました。スーパーマンのようなアメリカのヒーローは、自分たちの正義に疑問を持っていないように見え、そのアンチテーゼとしてアンパンマンが作られているようです。困っている人に、自分の顔(=食べ物)を与える存在。お腹が空いている人を助ける、ということは、アメリカ人も中国人も日本人も関係なく正義だ、と。納得感ありますね。やなせたかしの仕事哲学やなせさんのキャリアも非常にユニークでした。漫画家として大ブレイクする前から、広告・編集・脚本・舞台美術など、さまざまなジャンルの仕事をしています。さらに、どの仕事も「未経験から」引き受け、学びながらこなしてきました。彼のスタンスは一貫しています。勉強してから現場に出るより、仕事しながら学ぶ。このスタンスは非常に重要ですよね!どうしても先に勉強しないと、、、って思っちゃうことが多い気がします。仕事を取って学びながらアウトプットする、、、それが一番学習効率がいいのは社会人なら多くの人が理解していると思います。ただ、実際にこれほど多様な仕事を受けれるのは本当にすごいと思いました。手塚治虫など多くの“天才たち”から信頼され、スタートアップ的なプロジェクトに次々と呼ばれたのも、彼の実行力と誠実さゆえなんでしょうね。さらにかっこいいのが、彼が決して仕事を“奪わない”という点。新しいアイディアやキャラを自分のビジネスに転用しようとせず、ただ依頼された仕事を120%で返す。だからこそ信頼され続けた。そして何よりも印象的だったのが、「頑固一徹さ」と「信頼される柔軟さ」の共存です。アンパンマンは、最初は「顔をちぎって与えるなんて不気味」と保育現場から批判されたそうですが、 やなせさんは一切譲らなかった。「もう2度と描かないでください」とまで言われたそうです....!それがいまや、国民的キャラクターへと育ってるとは、、、ものすごい話です。漫画家としては成功できず全然目が出ない、、、でもずっと続けた。その頑固さもめちゃくちゃ素敵ですね。自分にも重なる姿勢この本を読んで、私自身が感じたのは、「やなせさんの姿勢に、学ぶべきことが本当に多い」ということです。今、私は受託開発の仕事をメインで行い、そこで収益を上げています。でも、それと並行して、自分のやりたいサービスや価値提供についても探し続けています。それがすぐに形になるとは限らない。でも、やなせさんのように「頼まれた仕事には120%で応える」姿勢を持ち続け、同時に「絶対に譲らない自分の核」を少しずつ育てていく。そういったスタンスで、粘り強く、誠実に、前に進んでいけたらと思っています。やなせさんの人生から、ものすごく勇気をもらいました。